〔航空法遵守〕機体重量200g以上のドローンを適法に飛ばすためのマニュアル

ドローンの話題

こんにちは、すけ氏です。

航空法規制対象となる機体重量200g以上のドローン、DJI Mavic Air(機体重量:430g)を購入してから約2ヶ月。DjiGo4アプリの飛行時間カウントも順調に6時間を突破して、まずまずのペースでフライト経験を積むことが出来ました。

特にドローンスクールに通ったり有料飛行場を使ったりはしなかったので、この飛行時間は近隣河川敷など自力で適切な場所とフライト方法を探っての経験となります。

2019年現在、日本でドローンを飛ばすのに免許は要りません。しかし、2015年改正された航空法を筆頭に、小型無人機等飛行禁止法、道路交通法、民法などドローンに関連する法規は多岐に渡ります。

これらの法規制は国土交通省が公開しているWEBサイト「無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール」や、「ドローン 規制」などのキーワード検索で出てくる数々のまとめ情報などを見れば「何が禁止されているか?」を知るのは難しくありません。

しかし、「ではどうすれば良いのか?」は「法律とマナーを守って飛ばしましょう!」といったスローガンで済まされていることが多く、実感が湧きにくいのが実情です。そこで今回は「ドローンを飛行させるにはこういう規制がありますよ」と紹介するに止まらず、そのハードルをどのようにクリアするのか?も含めて紹介します。

航空法による規制とその対策

まずは、いくつかあるドローン規制の中で中心的な存在となる航空法の規制内容と、その対策を紹介します。航空法違反は50万円以下の罰金で、罪の重さとしては飲酒運転相当となかなかヘビー。しっかり理解して対応する必要があります。

ドローン飛行禁止空域とそれを避けるための方法

国土交通省ホームページ内、「無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール」解説ページより引用

上の図は国土交通省「無人飛行機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール」」解説ページより引用したものですが、下記の(A)~(C)の空域がドローン飛行禁止とされています。

(A)空港等の周辺(進入表面等)の上空の空域
(B)150m以上の高さの空域
(C)人口集中地区の上空

国土交通省出典の図には安全性を確保し許可を受けた場合は飛行可能とあり、「禁止」ではなく「許可が必要」が正しいのですが、ぶっちゃけ趣味の飛行に許可が降りることは稀なため、この記事では分かりやすく「禁止」と表現していきます。
高度150m未満に機体を管理する

まず、この中で最も対策がしやすいのは(B)で、DJIのドローンであれば飛行管理アプリDjiGo4で最大飛行高度を設定できます。例えば、多少余裕をもって145mを最大飛行高度に設定すれば、万一誤った操作をしても、アラームが出て自動的に機体の上昇はストップします。平地でのフライトなら、これでOKです。

一方、山など高低差のある場所では注意が必要です。なぜなら、下の図のように航空法は地表面からの高度を規制していますが、アプリが管理しているのは離陸場所からの高度だからです。

この場合、例えば最大飛行高度を50mなどに設定して下方に100mの余裕を持たせ、標高がそれ以上下がるエリアには飛ばさないなど、別の対策が必要となります。

空港周辺を避ける

続いて(A)空港等の周辺(進入表面等)の上空の空域(C)人口集中地区の上空を避けるための情報です。これらの飛行禁止区域はまとめて調べることが可能で、下記3つのサイトが便利です。

個人的にはSORAPASSが見やすいと思いますが、会員登録(無料)が必要です。国土地理院の地図は公的機関による情報で信頼性の高さはピカイチですが、少々見辛い。手間なく見れるのはDJI 安全飛行フライトマップでしょうか。

国土地理院の地図の画面キャプチャ。

上記は国土地理院 地理院地図からの画面キャプチャですが、赤い場所が(C)人口集中地区で、緑色の円が(A)空港等の周辺(進入表面等)の上空の空域を表しています。

ところで、SORAPASSおよびDJIの地図と、国土地理院の地図を見比べた時に「空港周辺(進入表面等)の上空」の表示エリア部分がかなり違うことに気づいたでしょうか?例えば、地理院地図の成田空港規制を示す円は九十九里浜を突き抜け太平洋上まで達していますが、SORAPASSおよびDJIの地図では2周りは小さく表示されています。

これは、空港上空の制限空域が実際には下記の図のように3D立体的であるのに対し、地理院地図はその最も外側の外側水平表面(緑色の箇所)まで2D平面に落とし込んで表示した為にこうなったと考えられます。

成田国際空港株式会社ホームページ内、空港周辺における高さ制限~航空法に基づく物件の制限~より[制限表面概略図]を引用

上記図(出典:成田国際空港ホームページ)を見ても分かるとおり、外側水平表面(緑色の箇所)の箇所は空港標点からの高度295mまでは制限がありません。周辺平地からのフライトであれば、航空法による高度150m規制を遵守したドローンが制限高度に達することはないだろうという訳です。

空港周辺の高度規制は滑走路にある標点の標高が基準となります。外側水平表面(緑色の箇所)から飛ばす場合、その地点の標高との差分を引き算する必要があります。また、円錐表面と呼ばれるエリアでは制限高度が段階的に下がってきますし、進入表面/延長進入表面ではまた制限高度が異なりますので注意が必要です。

こういった計算は面倒ですが、大規模な規制範囲をもつ空港においては高さ制限回答システムがWEB上で公開されています。ここで知りたい場所の制限高(標高)を調べることが出来ますので、この場合は制限高(標高)-任意地点の標高を計算するだけで済みます。

上記はほんの一例ですが、「○○空港 高さ制限回答システム」などで検索すれば、色々な空港の制限高(標高)を調べることができますので試してみて下さい。

人口集中地区を避ける

国土地理院の地図の画面キャプチャ。

少々面倒だった空港周辺と比べて、人口集中地域(略称:DID)がどこか?知るのは簡単です。

上記どのサービスにおいても赤く表示されるのが人口集中地域(略称:DID)で、このエリアでの飛行は高度に関係なくNGです。対策は「人口集中地区では飛行しない」以外にありません。

禁止されている無人航空機の飛行方法

ここまでドローンを飛行させると航空法違反となる空域と、それを避けるための方法を見てきましたが、そうした禁止空域から外れた飛行OKな場所であっても、以下のようなルールに違反して飛行した場合は航空法違反となってしまいます。

画像出典:無人飛行機の安全な飛行に向けて!|国土交通省ポスター

夜間飛行の禁止

ドローンは日の出から日没までの間に飛行させなければならず、夜間飛行は禁止です。この場合の「日出から日没までの間」とは、国立天文台が発表する日の出の時刻から日の入りの時刻までと定義されています。

日の出前だけど、空が白んで周囲の景色が見えるから。」とか「日の入り後だけど、残光で周囲の景色は見えている。」といったケースは飛行NGですので、朝焼け、夕焼け時間帯の飛行には注意が必要です。
目視外飛行の禁止

ドローンの飛行は操縦者本人の「目視」により機体の位置や姿勢を把握し、周辺に人や障害物がないか確認しながら行わないといけません。従って下記のような方法で機体の状態を確認していても、操縦者本人が直接機体を見ていない場合は「目視」と認めらず航空法違反となります。

  • ドローンから転送された映像をモニターで見ている
  • 双眼鏡や望遠カメラ等を使ってドローンを見ている
  • 操縦者の代りに補助者がドローンを見ている

とはいえ、この「目視」飛行ルールには悩ましい点があります。

それはドローンの安全飛行にはモニターに表示される高度などの計器データや転送映像の確認が不可欠であり、これらを見ずに機体のみを「目視」していたら逆に危ないことです。

従って、車の運転者が基本的には前を見つつ、適宜スピードメーターやバックミラーに目線を移して安全確認するように、ドローン操縦者は基本的には目視でドローンの位置を確認しつつ、適宜モニターに目を移して計器情報をチェックしたり撮影操作を行うことになります。

距離の確保

ドローンの飛行は地上または水上にいる「」や「物件」との衝突防止のため、一定の距離(30m)を確保して飛行させることが求められます。ちなみに、この一定の距離(30m)を保つべき「」とは、ドローンの操縦者および関係者以外の人を指します。

例えば、友人グループ3人でドローンを飛行させる時に、操縦者以外の友人2人も関係者ですので30m離す必要はありません。また、空撮業務で空撮を依頼したクライアントと撮影者といった間柄も関係者です。

また、「物件」とはドローン操縦者およびその関係者の所有物ではない、または管理下ではないa)中に人が存在することが想定される機器(車両等)またはb)建築物その他の相当の大きさを有する工作物とされ、下記のような具体例が示されています。

車両等:自動車、鉄道車両、軌道車両、船舶、航空機、建設機械、港湾のクレーン 等 工作物:ビル、住居、工場、倉庫、橋梁、高架、水門、変電所、鉄塔、電柱、電線、信号機、街灯 等
出典:平成27年11月17日制定(国空航第690号、国空機第930号)「無人航空機に係る規制の運用における解釈について」

逆に、距離を保つべき物件には該当しないとして下記のような例が示されています。

a)土地、田畑用地及び舗装された土地(道路の路面等)、堤防、鉄道の線路等であって土地と一体となっているものを含む。
b)自然物(樹木、雑草 等) 等
出典:平成27年11月17日制定(国空航第690号、国空機第930号)「無人航空機に係る規制の運用における解釈について」

動かない「工作物」は距離を取りやすいですし、一旦離陸してしまえば「」や動く「車両等」もルート変更で回避可能ですが、1番の鬼門は着陸時。

うぱ君
うぱ君

周囲に人がいないことを確認してから飛ばしたのに、どこからともなく出現するワンちゃん連れた人が1番強敵との噂…。

管理人すけ氏
管理人すけ氏

大体1分と経たず通り過ぎてくれるので、それまで上空待機させたことが何度かあります。

ある程度バッテリー残量に余裕を持って機体を戻さないと、こういうありがちなシチュエーションに対応できませんので要注意ですね。

催し場所での飛行禁止

ドローンは多くの人が集まっている催しモノ会場上空の飛行を禁止されています。催しモノの例としては祭礼、縁日、展示会のほか、プロスポーツの試合、スポーツ大会、運動会、屋外で開催されるコンサート、町内会の盆踊り大会、デモ等。一方、混雑による人混み、信号待ちなど自然発生的なものは該当しないとされています。

まあ、こんなの言われなくても普通大勢の人が集まっている上空なんざ怖くて飛ばせないと思いますが、過去にそれをやっちまった上に墜落させた実例があるので、こういう規制があるんですよね…。

尚、空撮専門のプロのカメラマンが興行主から依頼されてイベントを撮影するケースなどを想定して、大変ハードルは高いですが申請⇒許可の仕組みは用意されているようです。
危険物輸送の禁止&物件投下の禁止

この辺の規制は主にテロ対策を想定してのものですね。これについては対策もクソもなく、あえて言うなら「やめておけ」の一言しかありません。

唯一注意が必要なポイントがあるとしたら、水や農薬等の液体を散布する行為も物件投下に該当するので農薬散布などでドローンを運用する農家さんはちゃんと申請を出して予め許可を受けましょうといった所でしょうか。

まとめ

今回の記事では機体重量200g以上のドローンに適用される航空法の概要と、その規制を守って飛行させるための方法を紹介しました。ただ、ドローンに関連する法規制は航空法だけではなく、小型無人機等飛行禁止法、道路交通法、民法、各自治体の条例など多岐に渡ります。

これらの航空法以外の規制は機体重量200g以下のいわゆるトイドローンでも適用となるものが多いので注意が必要です。その辺りの事情は以下の過去記事にまとめていますので、併せてご覧ください。

トイドローンでも注意!飛ばしてはいけない場所まとめ
機体重量200g以下のドローンは航空法の規制の多くが対象外となりますが、だからと言って好き勝手飛ばせるわけではありません。関連するルールをまとめてみました。

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