こんにちは、すけ氏です。
キャノン2019年新製品のデジタル一眼レフカメラ 、EOS kiss X10 をちらほら店頭で見かけるようになりました。エントリークラスの一眼レフカメラとして大人気だったEOS kiss X9の正統後継モデル。機能面で大きな進化を遂げて登場した、キャノンエントリークラス一眼レフカメラの看板機種です。

ところがこのEOS Kiss X10。ネット上ではあまり話題になっていないというか、デジタルカメラ総合販売ランキングでも発売後1ヵ月半経ってようやく10位にランクインしたと思ったら、その翌週圏外に消えてしまうなど、少なくとも偉大な先代ほどは騒がれていないようです。
EOS Kiss X10 と EOS kiss M の関係
Canon デジタル一眼レフカメラ EOS Kiss X10はキャノンの王道を行く一眼レフカメラの新製品。なのに何故話題性に欠け、イマイチ盛り上がりにも欠けているのか?これにはこんな理由があります。

EOS Kiss X10には新映像エンジン「DIGIC 8」、4K動画、瞳AF、AF精度&速度向上、クリエイティブアシストなどなど、様々な新機能が搭載されましたが…

これらの機能は、昨年発売されたミラーレスカメラEOS kiss Mに搭載済みのものばかりなんだよね。
要するに、キャノンは自社の売りになる先進技術をまずミラーレス(Kiss M)に搭載。そこから1年遅れて一眼レフ(X10)にも同じ技術を載せて、後追いの新製品とした訳です。
EOS kissシリーズはミラーレスと一眼レフどちらが買い?
まぁ、そんな感じでちょっと不遇な「EOS kiss X10」ですが、同じキャノン製、同じEOS kissシリーズ、同じ映像エンジンDIGIC 8を搭載して、17週連続販売ランキング首位を爆走中の「EOS kiss M」とほぼ同等の性能を持つ兄弟とも言える存在です。
違うのはEOS kiss X10が一眼レフカメラで、EOS kiss Mがミラーレス一眼カメラであるということ。メーカーはどちらもカメラ初心者にオススメと謳っていますが、さて実際にはどちらが良いのでしょうか?

販売ランキングを見れば人気は圧倒的にEOS kiss Mが強いよね。やっぱりこれからはミラーレスの時代なんじゃない?

まぁ人気で比べたらね。でも、kiss Mユーザーから見てX10が羨ましい!と思う点もあるよ?
何故そう思うのか?今回はそんな視点も絡めながら、この兄弟モデルの比較をしてみたいと思います。
ミラーレス花盛りの今、あえて一眼レフを選ぶ意味
長年一眼レフカメラの世界で隆盛を誇ったキャノンが、自社新技術を真っ先に投入したのはミラーレスであるEOS kiss Mでした。そして一眼レフの新製品、X10の開発が1年後回しとなったのを見ても分かるように、今後のトレンドがミラーレスとなることは間違いなさそうです。
一眼レフは大きさ、重さで不利
ミラーレスカメラはその名の通りミラーがない分、カメラボディとレンズを軽量コンパクトに仕上げることができます。デカい、重い、ゴツいが当たり前だった一眼レフとはここが一番の差別化要因です。
EOS Kiss X10は一眼レフカメラとしては非常に軽いボディ449gを実現しましたが、ボディのみで写真を撮ることはできません。そこにデカくて、重くて、ゴツい一眼レフ用レンズを装着したら、システム全体として軽く小さくはならないのです。
一方、EOS kiss M で使用できるミラーレス用レンズEF-Mシリーズなら、レンズそれ自体からして小型軽量なものが揃います。
多様なレンズを選べるのが一眼レフの圧倒的利点
とはいえ、選べる交換レンズの数量、多様なレンズの選択肢という観点では一眼レフカメラの方が未だ圧倒的に優位です。
現に EOS kiss M で使用できるミラーレス用小型軽量、EF-Mマウントレンズは全7種を数えるのみ(2019.06現在)。
一方、EOS kiss X10で使える一眼レフ用EFマウント、EF-Sマウントのレンズ数は長い歴史の積み重ねもあり、総数60以上にもなります。その中には今更買おうとは思えない旧モデルも多数含まれますが、数の差は歴然です。

ちょっと待った!「EOS kiss M」 は純正マウントアダプターを付ければEFレンズもEF-Sレンズも使えるよ!その逆が出来ない「EOS kiss X10」より対応レンズ数は多いでしょ!?

キャノン純正レンズという枠の中ならね。でも社外品、いわゆるサードパーティ製レンズまで含めると、また数が逆転するのよ。
シグマ・タムロンetc.社外品レンズという選択肢
これはキャノンに限らずニコンでもソニーでもそうですが、デジタル一眼カメラで使える交換レンズはメーカー純正品ばかりではありません。数多くの社外品、サードパーティ製レンズが存在し、その中でも抜きん出た技術力と人気を誇るのが、シグマとタムロンの2社です。
両社ともメーカー純正レンズにはない個性的なレンズを多数販売。当然、長い歴史をもつキャノン一眼レフ用EFマウント互換レンズも数多くラインナップされています。例えばこんなレンズ。
「ズームレンズはF値が大きく暗い=ボケにくい」という常識をぶち壊した、全域F1.8の明るくボケるズームレンズ。
18-400mm(換算28.8-640mm相当)と驚異的に幅広い焦点距離を誇る超・高倍率ズームレンズ。人間の目に近い自然な視野から、望遠鏡で見るような超望遠までレンズ一本で対応可能。
一眼レフカメラであるEOS kiss X10なら、こういった2社の個性的かつ豊富な交換レンズ群をバリバリ使うことが出来ます。

でもさぁ「EOS Kiss M」だってマウントアダプター使えばEFマウントレンズが使えるじゃん?そしたらKiss M+アダプター+シグマorタムロンレンズの組み合わせもOKじゃないの?

そこが難しいところでねぇ。シグマ、タムロン両社ともマウントアダプター経由の動作は推奨外。メーカーによる動作保証がないのよ。
とはいえ、ネット上を探すと「EOS Kiss M」+マウントアダプター+シグマorタムロンレンズで撮影された作例写真は沢山見つかります。
「メーカー保証がなくても大体は動く」これが実態だと思いますが、既に持っているレンズを自己責任で試すならともかく、これからレンズを揃えようという人が、動作保証がない製品に大枚はたくのはハードルが高いと言わざるを得ません。
まとめ
以上を踏まえてここまでの情報をまとめると・・・。
「EOS Kiss M」を選ぶメリットとデメリット

【メリット】※ミラーレス用に小型軽量設計されたEF-Mマウントレンズとkiss M小型ボディの組み合わせは、ちょっとした外出にも持ち出しやすい。※シルバーカラーのEF-Mマウントレンズ+ホワイトカラーのkiss M ボディの組み合わせはシンプルかつスタイリッシュで女子力高め。※別売りのマウントアダプターを購入すればEF、EF-Sマウントレンズも使える。
【デメリット】※EF-Mマウントレンズはラインナップが少なく、レンズ交換の選択肢が狭い。また、小型軽量重視設計なので本格的な一眼レンズと比べるとスペック上見劣りすることも。※一眼レフ用EF、EF-Sマウントレンズを使う場合は別売りのマウントアダプターが必要でその分重量&サイズ増。※社外レンズの定番、シグマ・タムロン製品はマウントアダプター経由での動作保証がない。
※注:タムロン製で1本だけ「EOS Kiss M」で使えるEF-Mマウント互換レンズが存在しています(2019.06現在)。
「EOS Kiss X10」を選ぶメリットとデメリット

【メリット】※豊富なラインナップを誇るEF、EF-Sレンズを標準で使える。※シグマ、タムロンなど有名どころのサードパーティ製レンズを使える。※つまり、とにかく交換レンズの選択肢が幅広い。
【デメリット】※Kiss Mに比べるとボディ+レンズ全体で重く大きくなりがち。ちょっとした外出に持ち出すのは億劫かも。※X10のカメラボディはともかく、EF、EF-Sレンズは黒色ばかりで無骨、女子力はほぼ感じられない(但し“無骨萌え”の人は除く)
※プロ用高性能レンズの一部に、日光対策のために鏡筒が白いEFレンズがあります。
結局はその人の目指すスタイル次第

結局「EF-Mマウントレンズをどう思う?」ってところに行き着くね。いずれズラッとレンズ揃えて最適な1本で最高の写真を撮りたい!って人かどうか?

いきなり最初から、そこまで気合入った人は珍しいかもね。でも、そういう極め気質がある人は、世間の人気に惑わされずにX10を選ぶと幸せになれるかも。
一眼レフVSミラーレスという切り口だと、EVFの性能が…とか、動く被写体への追従性が…とか、とかくカメラボディ同士の性能比較になりがちですが、ホントに比較すべきはそのボディで使えるレンズなんじゃないの?と思って書いてみました。参考になれば幸いです。
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