こんにちは、すけ氏です。
ZHIYUNのカメラジンバルCRANE M2のメーカーHPに公開されているCRANE M2 対応カメラ一覧表には、「M50、M5ご使用時、パン軸と軽微な干渉がありますので、干渉しないようにセッティングしてください。」との注意書きがあります。
干渉があると聞くと“どこが?どんな時?どの程度干渉するのか?”気になります。EOS kiss MとCRANE M2、両方手元にあるので実際に検証してみました。
EOS kiss M/英名EOS M50の干渉問題
EOS kiss M(英名EOS M50)はご存知の通りレンズ交換可能なミラーレス一眼カメラ、そしてZHIYUN製品案内ページの対応カメラ一覧表(PDF)を見ると、クレーンM2への積載可能レンズは下記の通りとなっています。
- EF-M 15-45mm f/3.5-6.3 IS STM(標準ズームレンズ)
- EF-M 11-22mm f/4-5.6 IS STM(広角ズームレンズ)
- EF-M 22mm f/2 STM(単焦点レンズ)
- EF-M 32mm f/1.4 STM(大口径単焦点レンズ)
- EF-M 28mm f/3.5 IS STM(マクロレンズ)
この内私が持っているのは1の標準ズームレンズおよび3の単焦点レンズのみですが、これを実際にクレーンM2に載せてその動作を検証してみました。
EF-M22mm F2 STM積載時の検証
EF-M22mm F2 STMは対応レンズの中で最も薄型軽量な単焦点レンズです。よってジンバルに載せるなら一番適任であろうということで、まずはコイツから検証して行きます。
チルト軸のバランス調整時にコツが必要
結論から言うと、問題となって来るのはチルト軸のバランス調整時です。kiss Mファインダーのゴムはちょっと後に突き出た形状なので、バランス設定の際に(パン軸ではなく)ロール軸モーターやメモリーロックなどに接触しやすくなります。
接触すれば当然バランス設定に支障を来しますが、EF-M22mm F2 STMについては、超ギリギリですが上写真のように干渉させずにセッティングすることが出来ます。
慣れないうちは「あ~またぶつかった!こんなんでバランス取れるかボケ~!!」って調整中何度か発狂しかけたけどね…。
ちゃんとバランスが取れた時のみ、奇跡的に干渉しないんだよね。逆を言えば調整中は干渉しやすい…。
EOS kiss Mチルト軸調整時のコツ
そこでこの干渉を発生さないためのコツですが、上写真のように限界まで写真右方向に下げて干渉しない位置からチルト軸の設定をスタート、少しづつ戻しながら調整します。
同様にクイックリリースプレート上のカメラ位置調整も、干渉しにくい前寄りの位置からスタート、少しづつ戻しながら調整します。
撮影時の干渉について
以上の方法で初期設定は滞りなく完了できるのですが、この初期設定問題をクリアしても尚、撮影時において別箇所への干渉が発生する条件を発見しました。ジンバルを下向き、カメラを前方に向けた状態から右に振った時に、確かにkiss Mファインダーのゴムがパン軸に軽く接触します。(パン軸への干渉なので、こちらが注意書きに書かれていた本命の症状と推測されます。)
極端なアングルを狙うとか、ジンバルを早く振るとかしなければ、干渉は発生し辛いです。EF-M22mm F2 STM使用時なら実用上の問題はほぼ無いに等しいかな?と思っています。
でもさ、メーカー情報にある「干渉しないようにセッティング」できるか?って言われればちょっと難しいよね。やりようがあるのかもしれないけど、僕らでは分からなかったね。
EF-M 15-45mm f/3.5-6.3 IS STM積載時の検証
続いて、kiss M使いならほとんどの人が持っているであろう標準ズームレンズEF-M 15-45mm f/3.5-6.3 IS STM積載時の検証です。まぁ、これより薄型軽量なレンズで超ギリギリだったので何となく結果が見えている気もしますが…。
載せてバランスを取ることは出来る
標準ズームレンズは沈胴式なので、セッティング前に撮りたい画角までレンズを伸ばしてセッティングする必要があります。上は最も広角寄りの15mmで設定した写真ですが、このレンズでもバランスを取った上でクレーンM2に積載することは出来ました。
問題は撮影時
問題は撮影時です。標準ズームレンズ「EF-M 15-45mm f/3.5-6.3 IS STM」はレンズが前に突き出る分、クイックリリースプレート上で後ろに下げてセッティングしてやらないと、ジンバル上でのバランスが取れません。
すると後ろに下げてセットした分、元々後ろに突き出た形状の電子ビューファインダーのゴム部がロール軸モーターに干渉しやすく…というか干渉が避けられなくなります。
干渉とは要は“引っかかってしまっている”訳ですから、干渉が発生する角度からジンバルを更に下に向ければカメラは水平を保てず、一緒に下を向いてしまいます。つまり、ジンバル機能が意味を為さなくなります。
あのさ、確かに積載可能だったよ。でもEF-M 15-45mm f/3.5-6.3 IS STMを載せた時、ジンバルを下向けたら引っかかっちゃうなんて実際の撮影時における可動範囲は凄く狭くなるよね?これを対応レンズって言えるんかいね?
まぁ「M50、M5ご使用時、パン軸と軽微な干渉があります」って注意書きに明記されてるから、それをどう受け止めるか?だよね。軽微だろうがそうじゃなかろうが、干渉がある=動作に支障は出るからね。
まとめ
EOS kiss M/英名EOS M50はカメラ中央から電子ビューファインダーが後ろに突き出でいるので、そこがCRANE M2本体に干渉しやすい。
薄型軽量の単焦点レンズ、EF-M22mm F2 STM+kiss M(M50)&クレーンM2の組み合わせはセッティングにコツが必要だが、実用上ほぼ問題ないレベルで運用可能。
但し、標準ズームレンズEF-M 15-45mm f/3.5-6.3 IS STM+kiss M(M50)&クレーンM2の組み合わせでは、ジンバルを下に振ることが不可能なので、撮影時には大きな制限が加わる。
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